2018年03月14日(水)
【別海中央中学校】卒業証書授与式 式辞 [・校長室から「ブログ記事」]
第70回卒業証書授与式が、感動のうちに終了しました。
卒業生の凛とした姿、在校生の式にのぞむにふさわしい姿。
どれもが立派でした。
厳粛な雰囲気の中で、淡々と式は進行しますが、会場全体に流れる心のこもった雰囲気。
いつの間にか会場全体を感動が包み込み、涙が自然と流れていました。
素晴らしい卒業式。
卒業生、在校生、保護者の皆様、そして来賓の皆様方、大変ありがとうございました。
式辞
雪解けが進み春の足音が感じられる、この佳き日に、別海町教育委員会教育長代理大塚保男様をはじめ、ご来賓の皆様、並びに保護者の皆様にご臨席いただき、記念すべき第70回卒業証書授与式を、挙行できますことに感謝いたします。
中央中70年の伝統に新たな歴史のページを記してきた卒業生77名の皆さん、卒業おめでとう。卒業にあたって皆さんに伝えたいこと。それは「いつでも人は変わることができる。そして、夢はかなう。」ということです。
これからの時代には、解決が難しいと言われている問題が数多く待ちうけています。急速に進む人口減少、高齢化による介護の問題、人間と人工知能の在り方、そして人類の生存に関わる戦争と平和の問題。どの問題も乗り越えていかなければ、私たちの未来への扉は開くことはありません。
数多くの問題を解決し、今より豊かで平和で幸せな時代になること、そうした時代を作っていく担い手は間違いなく君たちです。君たち一人一人の力に未来は託されています。
先日開催された冬季オリンピック。その中でカーリング女子日本代表は銅メダルに輝きました。そのチームの一員である吉田知那美さんはインタビューに答えて次のように言っています。
「この町、何もないよね。小さい頃はここにいたら夢は叶わないんじゃないかと思ってました。でも今は、この町じゃなきゃ夢は叶わなかったと思います」
吉田知那美さんは故郷北見市常呂町のことを言ったのですが、日本中の多くの人たちの共感を得ました。
ともすれば、夢が実現できない理由として「ここには練習する環境がない」「優れた指導者がいない」「サポートしてくれる人がいない」などと不平を言ってしまいがちです。
しかし、吉田知那美さんは全く逆のことを言いました。「夢がかなったのは、何もないと思われていた、この町だからこそかなったのだ」というわけです。吉田知那美さんは私たちに故郷の大切さを教えてくれました。
わがふるさと別海町。別海町で学んだことや体験したこと、そして中央中で得たかけがえのない仲間たち。それらが君たち一人ひとりにとって、これからの夢実現のための「力」となってくれるはずです。今まで培ってきた力をもとに、自分の良さを発揮し、自分の夢をかなえてください。
将来、この中のある人は、教育者となって、幼い子どもたちの才能や個性の芽をはぐくんでいるかもしれません。ある人は、貧困や病気で苦しむ地球上の人びとを救うために世界を舞台に働いているかもしれません。ある人は、オリンピック選手となってふるさと別海の人たちに勇気と元気を与えてくれるかもしれません。ある人は芸術家となって、人々に美しい心を植えつけてくれるかもしれません。そしてまたある人は 政治家となって、平和で住みよい、誰もが幸福に暮らせる社会をつくることをしているかもしれません。
これらのことは、決して夢物語ではありません。どんなに困難は多くても、夢はあきらめないで長く願い続けた人のもとに、必ずやってくるからです。
先週、私は卒業生の君たちに「いのち愛しむ」という道徳の授業をしました。授業後の感想で、ある人は「人は何かのきっかけで変わることができるのだなと改めて感じた。そして、命の大切さも改めて考えさせられた。これからの私の人生は長いけど、自分にしかできないことを見つけ、命を大切にしていきたい」と書きました。
人は変わることができます。自分にしかできないことを見つけ、前向きに、あきらめることなく、夢を追い続けること。それが未来への扉を開けることにつながっているのです。
最後に、保護者の皆様。これまで本校の教育に温かいご理解とご支援を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。また、ご来賓の皆様には、今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げまして、私の式辞といたします。
平成30年3月14日
別海町立別海中央中学校 校長 青坂信司
Posted by 別海中央中学校 at 15時11分
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