2020年05月13日(水)
【別海中央中学校】おススメの1冊(5) [◎学校ニュース]
司馬遼太郎『坂の上の雲』(全8巻)
明治維新を終え、国家というものを持った日本。どんなことに対しても手探り状態の中、中国(清)との日清戦争を経て大国ロシアとの日露戦争へと物語は進んでいきます。
なぜ、日本という戦力の非常に乏しい国が当時最強と言われたコサック騎兵団やバルチック艦隊を擁する大国ロシアに勝利することができたのか、教科書では教えてくれない歴史を学ぶことができます。
日本の騎兵の父と言われた秋山好古、日本海海戦の参謀・秋山真之の秋山兄弟と近代短歌・俳句の確立という文学史に大きな足跡を残した正岡子規の3人が主人公として三者三様の物語が進んでいくので、全8巻という大作ですがどんどん読むことができます。
個人的には最終巻が一番好きです。日本海海戦における各隊、各艦、各兵の命がけのファインプレーがあっての勝利。参謀の立てた作戦を上層部だけではなく、水兵一人ひとりに至るまでがきちんと理解し不測の事態に備える、という理念のもと戦う日本海軍。それが結果的に完全勝利へとつながります。チームワークというものについて考えさせられます。
限られた戦力で巨大な敵と戦わなければならない、戦争などではなくても部活動の試合などでもこんなことはあると思います。どのようにすれば勝てるのか、どのように考えれば勝てるのか、そんな悩みに対するヒントも多くちりばめられている作品です。
Posted by 別海中央中学校 at 13時00分
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