野付中学校 [北海道野付郡別海町]

　本日の放課後は委員会活動日です。書記局は年間を通しての活動として、定期的にエコキャップ回収を行っています。東公民館、きらくる、野付漁協、セイコーマートなどに書記局の皆さんが、回収に出かけていました。

　ずっと雨続きの上に、二つの台風の襲来と様々な災害の危険も心配されておりました。また、本日の午前中は、台風通過の影響により全町的に臨時休校となっておりますが、保護者地域の皆様方に、何事もないことを願っております。

　さて、本校には廊下に「サトウ・ハチロー」の詩が掲示されています。かなり以前に模造紙をつなぎ合わせて、手書きで書かれたものです。恐らく、昭和５０年代後半のものと考えられますので、４０年近く掲示されて来たのではないでしょうか。「サトウ・ハチロー」は言うまでもなく、童謡の「リンゴの唄」や「小さい秋見つけた」など日本を代表する詩人です。野付中学校の水産実習室の廊下に掲示されている模造紙の詩は、その「サトウ・ハチロー」が野付中学校の為に贈ってくれた詩なのです。なぜ、「サトウ・ハチロー」が野付中学校に詩を贈ることになったのかのいきさつは次のような事があったようです。

　昭和４２年６月７日の「あすは君たちのもの」の放送は、野付中三年水産クラブ九名が、東京NHKスタジオに出向いてビデオ撮りしたもので、その折に「サトウ・ハチロー氏」よりこのような詩が贈られている・・・・とあります。

その野付中水産実習室の廊下に今も掲げられている「サトウ・ハチロー氏」から贈られた詩は、次の様な詩である。

　君たちは新しい海の子　　「サトウ・ハチロー」

海にいる時君たちは生きている　潮風の中で君たちははずんでいる。
君たちは海の子　君たちは波の友　君たちの目には　すきとうった水の色　晴れあがった空の色がある。
君たちはえびをとる　かれいをつかむ　ほっき貝をひきあげる　ほたて貝にほほえむ
冬ー　海が氷ると氷に穴をあける魚を釣る　手早く釣り上げる　それだけではない　それだけではない
君たちは海の幸を　海の幸を　君たちの手で育てあげる　君たちの手でどんどんふやす
わかめのたねつけ　チカという小魚の卵からの人工ふ化　新しい仕事へのよろこびが　君たちのヒフからほとばしっている
君たちの足にもひざにも　胸にも肩にもあふれている　みなぎっている
君たちは古い漁業だけにたよらず　親愛なる海を利用しての　新しいやりかたに進んでいる
君たちはいま船の上にいる　君たちが投げ込んだわかめのたねをつけるノレン式イカダの丸いビニールの大きな玉のヴイ
それが海に　それが海に　明るさを添えている　漂わしている
そのヴイに日の光がゆれる　そのヴイを波がやさしくゆする

　もう、水産クラブのようなまとまった活動は出来ないかもしれませんが、それでも今の野付中では、「野付学」として幼小中の１２年間の中で脈々とその時代の波を受けながらもしっかりと受け継がれてきていますね。

　　　　野付中学校　校長　　藤　井　　薫　　

　文化祭や町の音楽祭に向けた全校合唱の練習がスタートしました。多くの時間があるわけではないので、少し文化祭までは時間がありますが、一つ一つの時間を大切にして行きましょう。今日は練習の初めではありますが、生徒たちは今まで以上に歌おうとする姿勢が見えていましたね。