2016年03月14日(月)
【別海中央中学校】校長式辞 [◎学校行事]
式辞
春の足音が感じられる、この佳き日に、別海町教育委員会教育委員長代理、木村江里様をはじめ、ご来賓の皆様、並びに保護者の皆様にご臨席いただき、第68回卒業証書授与式を、挙行できますことに感謝いたします。
卒業生75名の皆さん、卒業おめでとう。この3年間、君たちは、学習、学校行事、生徒会活動、部活動、放課後活動など、様々な場面で頑張ってきました。本日この日、いよいよ別れの時です。一緒に声を上げて喜び、悲しみに一緒に涙しあった仲間。そして、喜びや悲しみの全てが刻み込まれたこの学び舎ともお別れです。
昨年の春。校庭のグランドでA団、B団が競い合い、ぶつかり合い、全力で戦った体育祭。その閉会式。結果が発表されると声を上げて喜んだチーム、悔しさで涙を流したチーム。しかし、閉会式が終了し、グランドの向こう側で全校生徒が円陣を組み、お互いの健闘を称えあっていた姿。勝ち負けを乗り越え、全校が心を一つにする素晴らしさを教えてくれました。その中心には君たちがいました。
秋。学校祭『メイク216のキセキ』一人ひとりが輝いていたあの燃えるような二日間。各学級で競い合った合唱コンクールの最後、全員で心を一つにして、心を込めて唄った『あすという日が』。この体育館全体を包み込んだすばらしい歌声。今でも、君たちの姿と歌声を鮮明に覚えています。
中央中のリーダーとして、中央中の新たな伝統を築くために、今まで全力で取り組んできた君たちに心からの感謝を言います。ありがとう。
卒業するまでの3年間。思春期の真っただ中にある君たちは、友達、先生、そして親との関係の中で、時には反発し、時には反抗し、時にはいさかいを起こし、夜眠れずベッドの中で涙を流すほどの悲しみや奥歯を噛み締めるほどの悔しさを味わったかもしれません。しかし、君たちはそれらに耐え、乗り越えてきました。
そしてこの4月から、君たちは、様々な高校に進学し、それぞれが別々の人生を歩みます。君たちは、これから何度もピンチに出会うでしょう。何度もつまづくでしょう。何度も自分の無力さを痛感するでしょう。でも、そのたびに立ち直る強さを君たちは持っていると私は信じています。
中央中で過ごした日々、中央中で学んだこと、中央中で体験したこと、中央中で得たかけがえのない仲間。それらが君たち一人ひとりにとっての「生きる力」となるはずだからです。
ちょうど一週間前、この体育館で、私は障害があってもたくましく生きている3名の方の話を君たちにしました。全盲のピアニスト辻井伸行さん。脳性まひの天才画家浅井力也さん。超未熟児わずか500グラムで生まれた井上美由紀さん。君たちは、真剣に私の話に耳を傾けてくれました。
私は、君たちに「3人に共通していることは何か」と問いかけました。その答えとして私は、その後マッサージ師となった全盲の井上美由紀さんの言葉を紹介しました。覚えていますか。井上美由紀さんは次のように言いました。
「今この瞬間を、後悔しないように前向きに生きていきたい。それが母から教わった生き方であり、ピンチをチャンスに変える、ただひとつの方法だ」と。
君たちの成長を喜び、時には叱り、愛情深く見守ってくださる家族の支えがあってこそ、今の君たちがいます。これからも、感謝する心を忘れず、前向きに、ただひたすら前向きに生き抜いてほしいと思います。
これから君たちは、新しい環境の中で、新しい仲間と、新しい先生とともに、新たな生活をスタートさせます。義務教育九年間で学んだ力をもとに、素晴らしい人生を、豊かな人生を、自分の足元の幸せを感じられる人生を送ってください。人の心の痛みを、悲しみを、辛さを、わがこととして感じられる人であり続けてください。
最後に、保護者の皆様。これまで本校の教育に温かいご理解とご支援を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。
また、ご来賓の皆様には、今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げまして、私の式辞といたします。
平成28年3月14日
別海町立別海中央中学校 校長 青坂信司
Posted by 別海中央中学校 at 19時46分
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